| 宇宙線起源の研究 | 大学院時代の研究テーマです。宇宙は無の世界ではなく、たくさんの高エ ネルギー粒子が飛びかっています。私は特に 10^15 eV 近辺のエネルギー を持つ宇宙線の化学組成を調べる研究をしました。実験は南米ボリビアチャ カルタヤ山で行いました。宇宙線が大気と相互作用することによって引き 起こされる空気チェレンコフ光を観測することにより、宇宙線の大まかな 組成を知ることが出来ます。標高 5000 m にある観測所に泊り込んでの観 測でしたので、とても大変でした。 |
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| X 線検出器の開発 | 大学院を卒業して理研・宇宙開発事業団でガンマ線バース監視衛星に搭 載された X 線検出器の開発を行いました。同様の検出器がスペースステー ションでの実験が予定されている全天 X線 モニターに搭載されます。 このプロジェクトにも参加しました。 検出器開発の他、衛星上で動くソフトウエアの開発 や地上でのデータ処理システムの開発もしました。 |
| ガンマ線バースとの研究 | 大質量星が進化の最後に爆発を起こすと、ガンマ線バーストとよばれる天体 現象として観測されます。その他、中性子星やブラックホールの合体によっても 発生すると考えられています。理化学研究所と米国MIT等の国際チームが開発した ガンマ線バースト監視衛星のデータを利用して、ガンマ線バーストの発生メカニ ズムを解明する研究を行いました。 |
| バーチャル天文台の開発 | 国立天文台に異動してからは天文データベースシステムの開発をするように なりました。バーチャル天文台は世界中の天文データを簡単に取得することができ るデータベースシステムです。世界各国のデータセンターと協力して開発を行って います。 |
| コスミックストリングの探査 | 宇宙がビックバンにより誕生した直後に形成されたと考えられている コスミックストリングの探査を、すばる望遠鏡のデータを利用して行っています。 コスミックストリングは高い線密度をもつため、重力レンズ効果により背景にあ る天体が二つに分離して観測されます。そうした重力レンズ像を探すことでコス ミックストリングを探査しています。 |
| 超大質量ブラックホールの進化の研究 | ほとんどの銀河にはその中心に太陽質量の100万倍を越えるような、超大質量ブラック が存在していると考えられています。そうした非常に重たいブラックホールがどの ようにして生じるのかはまだ分かっていません。一つの可能性として、銀河同士が 合体などの相互作用をすることによってブラックホールへの質量流入が起こりやすく なり、それにより成長するのではないかと考えられています。こうした説を検証 するために、ブラックホール質量と周辺銀河数密度の関係についてアーカイブデータ を利用して研究を行っています。 |