JVO ー バーチャル天文台計画

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すばるなどの世界の望遠鏡によって観測したデータの多くは、保管され、 一定期間後にインターネットを通じて公開されます。最近の天文学研究 には、こうしたデータの有効活用が不可欠になってきています。しかし、 観測装置の性能向上とともに、得られる観測データも膨大かつ複雑になっ ているため、その有効活用は非常に困難です。これを克服すべく考えら れたのが、「バーチャル(仮想)天文台」です。この名前は、コンピュー タに蓄積された天文観測データを「宇宙」ととらえ、それを「観測」す ることによって、望遠鏡による観測と同様に「観測結果」を得る、とい うことからきています。

国立天文台データベース推進室では、バーチャル天文台 「JVO (Japanese Virtual Observatory)」の開発に取り組んでいます。JVO は、利用者か ら「…を観測せよ」と指令を受けると、世界中に分散する観測データの 中から適切なデータを探し出し、その結果をわかりやすく提供する計画 です。 このとき利用者がデータのありかや内容、観測波長の違いについ て気にせずにすむような、簡単かつ統一的な操作性をめざしています。 この JVO により、世界中の天文観測データを使った新たな研究手法が発 展し、宇宙に対する発見が続々と生まれてくることが期待されています。

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